勤続年数5年と聞くと、一般的にはそれなりに長く勤めているイメージを持たれるのではないでしょうか。
僕は、まったくの業界未経験でIT業界に転職し、気がつけば今の会社で丸5年も働いています。
5年も働いていると、さまざまな経験がありました。
楽しいできごとはもちろん、トラブルなどの大変な場面も多くあります。
この記事では、僕個人の勤続5年を振り返って、どのような経験を得られたのかをお話していきます。
業界未経験の人間がどのように学んで、トラブルやイレギュラーな事態を乗り越えて行ったのかもざっくばらんに紹介。
IT業界への転職を考えている人、勤続5年働いている人の経験談を知りたい人の参考になれば幸いです。
いち個人の仕事談を暇つぶしに読みたい人にも、本記事はおすすめです。
この記事はこんな人におすすめ
- IT業界未経験の人が実際に働いて大変だったことを知りたい
- 勤続5年の人がどのように働いているのかが気になる
- 人の仕事の経験談を見てみたい
目次
未経験でIT業界に転職|勤続5年を振り返る
さっそく、僕の勤続5年間を振り返っていきます。
僕は最初、不動産関連の会社に勤めていて、そこから業界未経験でIT業界へと転職しました。
転職から現在に至るまでの流れを順を追ってお話しますので、ぜひご覧ください。
新卒から4年勤めた会社を辞めて、IT業界へと転職を決意!
僕は元から転職の意欲が高く、「人生一度だし、いろいろな会社を経験してみたい!」と思っていました。
とはいえ、実際に転職するきっかけもなく、気つけば新卒で入った不動産系の会社で約4年が経過します。
この頃に「未経験業界への転職は一般的に20代の後半まで」との話を聞き、本格的に転職を考え始めました。
(今となってはあまり関係ない気もしていますが、若いほうが未経験でも転職しやすいとは思います)
転職を後押しするように、当時読んでいた「10年後の仕事図鑑(堀江貴文、落合陽一著)」の影響があります。
書籍の中で、「今後はAIをはじめとするテクノロジーに取って代わられる仕事が出てくる」といったことが書かれていました。
詳細は割愛しますが、僕が担当していた仕事はまさに書籍に書かれているような「AIに取って代わられる仕事」でした。
転職活動を始めようと決意し、転職先の業界は人材系かIT系に絞ります。
書籍に強く影響を受けていたこともあり、AIでは代替できない人材系か、AIなどの機械を使う側であるIT系のどちらかに行くべきだと考えたからです。
転職活動を始めて2〜3ヶ月経過した頃に、SES(システム・エンジニアリング・サービス)の会社に転職が決まります。
たった4ヶ月で辞める|転職から1ヶ月半後には再び転職活動
無事にSESの会社に転職が決まったものの、僕はたった4ヶ月でその会社を辞めます。
転職活動自体は、入社してから1ヶ月半後には始めていました。
理由は、シンプルで高圧的な上司の存在です。
パワハラとまで言えるかは分からないものの、上司の高圧的な言動に耐えかねて再転職を決意します。
2度目の転職活動を始めて、おおよそ1ヶ月後には現在も勤めている会社から内定をいただきました。
ちなみに、最初の転職活動はそもそもミスを犯していたのですが、詳しい話は本記事では割愛します。
僕が転職活動で失敗してしまったことなど、詳細は以下の記事でお話しています!
無事に転職成功!楽しく働く一方で勉強の日々
無事に2回目の転職が成功し、インターネットセキュリティ関連の企業で働き始めます。
転職したはいいものの、インターネットセキュリティどころか、IT業界の経験すら僕はほぼ持ち合わせていません。
(前職のSESもIT業界ではありますが、経験と呼べるほどの実績はありません)
当然のことながら、転職してからは勉強の日々です。
書籍を購入して勉強するかたわら、チームのリーダーや先輩に仕事を教わっていきます。
職種としてはカスタマーサクセスが近く、自社のセキュリティサービスを利用したい顧客のサポートが主です。
対人業務は過去の経験からも慣れていましたが、専門知識の習得が苦労しました。
しかし、新しい環境や新しい仕事への刺激からか、まったく辛くはありませんでした。
むしろ、毎日の仕事が楽しかったことを覚えています。
書籍や先輩の教えから知識をインプットし、実際にお客様との打ち合わせや対応の中でアウトプットする。
インプットとアウトプットの繰り返しの中で、1年も経過する頃には業務に必要な知識は十分に理解できるようになっていきました。
僕が今の会社に転職して苦労したことは、以下の記事でも詳しく話しています!
慣れとともに刺激が少なくなる
転職して楽しく働いていた僕でしたが、2年・3年と経てば次第に仕事への楽しさが減っていきます。
僕は新しい経験や知識を得ることに刺激を覚え、その刺激が楽しいと感じる人間です。
転職から数年経過したことで、当初よりも円滑に仕事をできるようになった反面、慣れから刺激を感じる場面が少なくなりました。
そのせいか、仕事をしていても「なんだか退屈だなぁ」と感じるようになります。
退屈を打破するためには刺激が必要だと考え、新しい挑戦を模索します。
プロジェクトのリーダーなど新しい挑戦で刺激を得る
今の仕事に退屈さを感じ始めた僕は、刺激を得るためにさまざまなプロジェクトへの参加を立候補します。
また、同じタイミングで、新しくチームに転職してきた人への教育および指導も始まりました。
後輩メンバーへのサポートが中心となるにともなって、以前よりも自分が表に立って直接お客様と接する機会が減っていきます。
対人業務が好きだった僕は、お客様とのやり取りが減ることも退屈さを感じる要因となりましたが、そのおかげで参加プロジェクトに注力する時間が生まれます。
結果として、現在は複数のプロジェクトに携わりつつ、一部ではリーダーも務めるようになりました。
ただ、新しい挑戦はしているものの、仕事全般への慣れからくる退屈さは残っています。
いかに刺激を得るかは依然として課題ですが、今は目の前のプロジェクトを成功させて達成感を味わおうと日々の仕事に取り組んでいます。
不動産系の業界から現職のIT企業へ転職|転職の決め手は何か?
一部、抽象的な内容や曖昧な部分もありつつ、僕の5年間の仕事を振り返りました。
そもそも、僕はなぜ不動産系の業界から、未経験業界である今の仕事に転職を決めたのか。
結論から言えば、今の会社は人が良さそうだったからです。
前述の通り、僕は最初の転職に失敗しました。
転職したものの、高圧的な上司の存在によってわずか4ヶ月しか在籍していません。
だからこそ、僕は次の会社で「長く働き続けられる会社がいい」と思っていました。
つまり、今の会社の転職にあたって業界や事業内容は、重視していなかったわけです。
もちろん重視していないと言いつつも、まったく気にしていなかったわけでもありません。
最初の転職で軸としていた人材業界か、IT業界で働きたいとの思いはありました。
ですので、IT業界で探しつつも、一番は長く働けそうな会社にしようとの考えで会社を選びました。
入社前に会社のことを調べまくる
長く働けそうな会社が良いとはいうものの、入社前にどうやって長く働けそうかを判断できるのでしょうか。
答えを言うと、入社前に長く働ける会社であるかを確認する術はありません。
できる限り情報を集めて、「ここは長く働けそうかな……」と推測できるのみです。
ですので、僕は応募した会社の事業内容や福利厚生はもちろん、会社のホームページにブログまで片っ端から読みました。
調べて得た情報をもとに、会社の方針や雰囲気を推測して判断したわけです。
結果として僕の判断は間違っていなかったですし、会社のことをよく調べていたおかげで面接もうまく進めることができました。
転職から5年!大変だったこと3選
転職から5年も経つと、いろいろなことがありました。
ここでは、業界未経験で転職してからの5年間にあった大変なことを紹介します。
- 相手の話していることが意味不明
- 新しい技術や知識を追い続けることが大変
- 在宅勤務におけるコミュニケーションの取り方
1つずつ詳しく説明していきます。
相手の話していることが意味不明
大変だったことの1つ目は、「相手の話していることが意味不明」であることです。
まったく経験のない業界がゆえ、専門的な話への理解が非常に大変でした。
インターネットセキュリティの会社ゆえ、お客様は開発エンジニアなど技術系の人が表に出てくることがよくありました。
当然、お客様はこちらが技術への理解があると思って話されるため、会話についていけない場面もしばしば。
転職したての頃は話している内容の多くが意味不明でしたので、打ち合わせ終わりに先輩や自社のエンジニアによく質問をしていました。
だんだんと知識がついてくると、話の内容が感覚的に分かるようになっていきます。
しかし、感覚的にわかっていることを自らの言葉で言語化できるまでには、さらに時間がかかりました。
お客様の中には技術やセキュリティに疎い人もいるため、そうした人に向けては逆に言葉や話の内容を噛み砕く必要があります。
話す相手に向けて言葉選びや内容の粒度を調整できるようになるまでは、1年近くはかかったと思います。
新しい技術や知識を追い続けることが大変
2つ目の大変なことは、「新しい技術や知識を追い続けること」です。
1つ目の大変なことと関連する内容です。
言わずもがな、技術は日々進歩しています。
技術の進歩にあわせて、覚えなければいけない知識も日々増えていくわけです。
実際、お客様とお話する中でまったく知らない技術の話をされることもあります。
その度に社内に持ち帰ってエンジニアに相談したり、自分で調べたりして、お客様との対応や調整を模索しています。
ただ、技術とひと口に言っても、すべてを追うことは困難です。
今は自分の仕事に関わる範囲で勉強を続けているものの、それでも追いつけているかどうかといったところです。
技術や知識を学び続けることは、今もなお大変だなと思っています。
在宅勤務におけるコミュニケーションの取り方
3つ目の大変だったことは、「在宅勤務におけるコミュニケーションの取り方」です。
僕の会社は、コロナ禍の影響で全社員が完全に在宅勤務となりました。
必要に応じて出社する形となり、オフィスも縮小したほどです。
在宅勤務になったことで通勤時間がなくなり、とても時間に余裕が生まれました。
その反面、人と会う機会が激減します。
出社しているときは、細かい相談や何気ない雑談をする場面がたくさんありました。
しかし、在宅勤務になってからはオンラインでミーティングするため、雑談するタイミングはほとんどありません。
会話するためには、わざわざオンライン用のミーティングツールを利用しなければいけません。
会話のハードルが非常に上がったことで、コミュニケーションの量も減りました。
コミュニケーションの量が減った一方で、退屈さやストレスを感じる瞬間が増えます。
コミュニケーションの量が減ってはじめて、自分が想像以上に人との会話を楽しんでいたり、刺激を受けていたりしたことに気づきます。
だからこそ、在宅勤務に移行した初期は、環境の変化に適応するまでが大変でした。
今は在宅勤務の環境にも慣れましたし、コミュニケーションを取る方法も増えているので、在宅勤務による大変さは感じていません。
なぜ5年も勤続できたのか?今も同じ会社で働き続けている3つの理由
5年働いている中で大変なことがあった一方、同じ会社で現在も働き続けているのは「今の会社が好きだから」に他なりません。
ここでは、今も同じ会社で働き続けている主な理由を3つお話します。
- チームメンバーが良い人たちばかり
- なんだかんだ今の仕事が楽しい
- 働きやすい環境が整いすぎている
何が働き続ける原動力になっているのか、ぜひご覧ください。
チームメンバーが良い人たちばかり
同じ会社で働き続けている理由の1つ目は、「チームメンバーが良い人たちばかり」です。
今も同じ会社で働き続けている最大の理由と言えます。
結局、人が良いと長く働き続けられますし、自分の意思としても長く働こうと思えるからです。
単に良い人だとあまりにも抽象的ですので、「良い」について掘り下げます。
具体的には、問題や失敗が起こった際に「人ではなく原因に焦点を当てられる」ところが「良い」の理由です。
僕の前職における上司は、問題が起こると人の責任を追及して「なぜその問題が起きたのか」を考えません。
単に失敗した人を怒り、挙げ句の果てにはその人の人格を否定して終わりです。
しかし、今の会社では失敗した人を責めることはせず、「なぜその問題が起きたのか」と原因を追求します。
チーム内の心理的安全性が高く、仮に自分がミスしてしまっても素直に報告ができますし、次の改善に向けて前向きに取り組めます。
前職で高圧的な上司を経験していたからこそ、なおさら現職の人間関係の良さがありがたく感じるわけです。
職場の人間関係は運要素が強いゆえ、今の人間関係を手放すのが惜しいと僕は感じているのかもしれません。
社風もあってか、僕の後に入ってくる人たちも良い人ばかりですので、他部署の人と接していても気持ちよく仕事ができています。
なんだかんだ今の仕事は楽しい
2つ目の理由は「なんだかんだ今の仕事が楽しい」です。
どれだけ人間関係が良くても、仕事自体があまりにもつまらなかったり嫌いだったりしたらとても続けられません。
慣れによって退屈さを感じる瞬間は増えても、結局は今の仕事を楽しめているのでしょう。
仕事柄、新しい技術に触れられますし、さまざまな業界に人とお話しできることも良い刺激になっています。
また、最近はプロジェクトのリーダーなど新しい挑戦していることもあって、楽しさは維持できています。
しかしながら、この先も楽しみ続けられるかは不安が残るので、その点は自分の行動次第です。
働きやすい環境が整いすぎている
3つ目の理由は「働きやすい環境が整いすぎている」ことです。
今の会社は、在宅勤務やフレックスタイム制、副業OKなど働きやすい環境が非常に整っています。
在宅勤務になったことでコミュニケーション面の大変さをお話したものの、やはり在宅勤務は総合的にメリットがとても大きいです。
満員電車に乗らないで済む点はもちろん、通勤時間がないのでとにかく時間に余裕があります。
また、フレックスタイム制のおかげで、勤務時間に融通が利くことも助かっているポイントです。
自分のコンディションに合わせて始業や終業の時間を前後できるため、気持ち良く働けています。
1社目よりも自分の余暇を楽しめている上に、副業という個人的な挑戦にも時間を使えるようになりました。
今の働きやすい環境も、人間関係と同様に過去の会社と比較して当たり前ではないと実感する日々です。
これだけ働きやすい環境の会社がどれくらいあるかは分からないですが、きっと多くはないでしょう。
そう思うからこそ、現職で働き続けようというモチベーションにつながっています。
5年のうちに転職しようと思ったことはなかったか?
先ほどは、今の会社で5年間働いてこれた理由をお話しました。
とはいえ、これまでに今の会社から転職しようと思ったことがなかったわけではありません。
仕事への慣れから退屈さを感じたときは、5年の間でもっとも強く転職を考えたときでした。
しかし、今のメンバーの人たちや働きやすい環境を手放すのが惜しく、実際に転職しようとまでは至らなかったです。
とはいえ、転職を思いとどめった理由が健全とは思っていません。
現状がコンフォートゾーンになっていて、いわゆるぬるま湯のような環境で楽をしているだけだからです。
自分なりにコンフォートゾーンを脱するための挑戦はしているものの、抜け切れていないのが現状です。
そのため、今後も自分のキャリアひいては在り方を考えるタイミングは都度あるだろうなと思っています。
もしかすると、転職という選択をとるかもしれません。
5年後・10年後のキャリアプランは分からない|目の前の挑戦を楽しむ
結局のところ、この先の自分がどうなっているかは分かりません。
よく転職などの面接で「5年後のキャリアプランを教えてください」と聞かれることがあります。
聞かれるたびに僕は、「1年後すらどうなっているか分からないのに、5年後なんて分かるかい!」と思っています。
どうなるか分からないからこそ、どのような状態になっていても選べる選択肢を多く持っていくことが大事なのではないでしょうか。
そのためには今の仕事はもちろん、副業など自分の技術や知識を広げる挑戦に取り組んでいくしかありません。
「取り組んでいくしか」と表現しましたが、過去の経験からも新しい挑戦は楽しいことを実感として知っています。
「この先どうなるのか」「このままでいいのか」と過度に未来を恐れず、まずは目の前の挑戦を楽しんでいこうと今は考えています。
まとめ
ここまで、僕の勤続5年の歴史を振り返ってきました。
業界未経験で転職して大変なこともありましたが、総じて楽しんで仕事に取り組めています。
ただ、ここ最近は慣れによって楽しい仕事が「楽な仕事」に変化しつつあることも事実です。
どうせ仕事するなら楽しく張りのある仕事をしたいと思っているので、新しい挑戦を模索していきます。
本記事が転職を考えている人の参考になったり、誰かの暇つぶしになったりしましたら幸いです。
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