新しい会社に入社して数ヶ月、早くも転職したいと思っている人はいるでしょう。
とはいえ、数ヶ月での転職は経歴的に大きなマイナスで、周りの人からも「もう少し頑張ってみれば」と言われてしまう。
そこで1つ問いかけたいのは「今の会社に勤めて得られるものが本当にあるのか」です。
自分の貴重な時間を使って得られるものがあるなら、まだその会社にいるべきでしょう。
もし得られるものがないなら、すぐにでも行動すべきです。
この記事では、わずか4ヶ月で二度目の転職をした僕の経験談を紹介します。
数ヶ月での退職にもかかわらず、僕は現在ホワイト企業に勤めることができています。
二度の転職から学んだ成功のポイントや不安を解消する方法を解説。
入社してすぐに今の会社が合わないと思いつつ、一歩踏み出せない人はぜひ本記事をご一読ください。
この記事はこんな人におすすめ
- 入社数ヶ月で転職を考えている
- 経歴への影響や周囲の目を気にして転職に踏み出せない
- 入社数ヶ月でも転職に成功した人の話を知りたい
目次
【転職経験談】たった4ヶ月で二度目の転職からホワイト企業へ
僕は、現在勤めているインターネットセキュリティの会社が3社目です。
過去に二度転職をしており、2社目はわずか4ヶ月で退職しました。
退職時点が入社して丸4ヶ月でしたので、転職活動自体は入社から1ヶ月半後には始めていました。
今の会社は仕事も働き方も人間関係も良く、ひいき目に見てもホワイト企業と言えるでしょう。
僕がどのような思いや考えから、二度の転職を経て現在の仕事に至ったのかを流れに沿ってお話します。
好奇心から転職したいと思いつつ大きな不満は無かった1社目
僕が新卒で入社した会社は、不動産系の企業でした。
その中の自動販売機を管理・運営する部署に配属され、主に自販機に投入する飲料の発注や在庫管理を担当していました。
僕は元々、「人生一度なんだから色々な企業を経験してみたい」と考えていた人間です。
ですので、いずれは転職しようと思っていたのですが、これといったきっかけもなく約4年の月日が流れます。
仕事自体は楽しく人間関係も良好で、大きな不満はなかったからです。
将来性への不安が最初の転職の後押しに
最初の会社かつ社会人としても5年目に突入した頃、堀江貴文さんと落合陽一さんの共著「10年後の仕事図鑑」という本を読みます。
本書では、技術の発展により今ある仕事がAIなどの機械に代替されることを語っています。
本書で語られる内容の是非はさておき、自分の仕事が将来機械に代替されることについて当時の僕は考えました。
飲料の発注は、ある時点までの飲料の出荷数と翌日以降の天気予報をもとに発注数を決めます。
言い換えれば、過去と未来のデータをもとに数量を決定するわけです。
であれば、人間がおこなうよりも機械がデータを分析して対応したほうが、僕は確実だと考えました。
もちろん、その仕事が絶対にAIに取って代わられると確定したわけではありません。
それでも僕は、自分の仕事ひいてはキャリアの将来性に不安を覚え、初めての転職を決意します。
初めての転職活動と転職における最大の失敗
自分のキャリアのに対する将来性に不安を感じたことから、僕は転職活動を始めました。
しかし、ここで僕は転職活動における最大の失敗を犯します。
それは「転職先が決まる前に退職する」と伝えてしまったことです。
今にして思えば、なぜそんなことをしてしまったのかが自分でも分かりません。
きっと退路を断つことによって、転職する意志を強くしようとしたのかと思います。
いずれにしても、転職先が決まる前に退職する旨を伝えてしまい、焦って転職活動を進めることに。
転職エージェントを利用して転職活動を進めていましたが、なかなか転職先が決まりません。
求人情報サイトで見つけたSESの求人に応募|懸念点に目をつぶる
焦りが募る日々の中、転職エージェントではなく求人情報サイトでたまたま見つけた求人に応募します。
求人の会社はSES(システム・エンジニアリング・サービス)事業を営んでおり、営業職を募集していました。
SESとは、自社のエンジニアをIT企業や開発会社に派遣する、いわゆる人材派遣的な事業です。
僕は志望業界として「機械を使うIT系」か「機械に代替されない人材系」のどちらかを考えていました。
当時の僕からは、SES事業はITと人材を掛け合わせた事業のように感じ、求人に応募します。
社長と営業部のリーダーによる2対1の面接が1回だけおこなわれ、すぐに内定をいただきました。
振り返るとその会社に懸念点は色々あったのですが、焦りと転職活動の疲れからか僕は深く考えることなく入社を決めます。
入社2日目で感じた違和感
どうにか転職先が決まった僕は、緊張の中で入社初日を迎えます。
僕と同じ日に入社した人間は、僕を含めて4名いました。
僕以外は全員エンジニア職の採用です。
2日目の午後から僕は営業部に配属となり、挨拶にいきます。
今でも忘れられないのですが、挨拶のときに強烈な違和感を抱きました。
営業部は僕以外に全5名いたのですが、あまりにも空気が殺伐としていたのです。
「え? こんな雰囲気なの? 大丈夫?」と非常に不安を感じたことを今でも鮮明に思い出します。
最初は不安に思ったものの、いざ席について皆さんと話してみると和やかな雰囲気で、自分が抱いた違和感は杞憂だったかと思うように。
僕は自分から積極的に話をするタイプでしたので、初めのうちは楽しく過ごせていました。
違和感は現実に
転職して1週間ほど、入社2日目の不安は気のせいだったかと思い始めた頃に異変が起こります。
営業部は僕を入れて全員で6名いたのですが、そのうちの1人が休みがちになっていました。
営業部ではいつも始業後に朝会をおこなっており、ある日の朝会で休みがちになっていた人が退職するとリーダーから告げられます。
僕は非常に驚きました。
なぜなら、退職する人は僕の1ヶ月前に入社したばかりの人だったからです。
すぐに僕は自分が感じた違和感を思い出します。
いくらなんでも入社1ヶ月で休みがちになり、そのまま退職する状況は異常です。
僕の胸に不安と疑問が広がっていきましたが、疑問のほうはすぐに解消されました。
しばらくして、上司の高圧的な言動が始まったからです。
上司から高圧的な言動を受ける日々
上司の高圧的な言動は、最初は他の営業メンバーに対してでした。
朝会やMTG中に、メンバーを高圧的に詰めるように。
高圧的なだけでなく、前に言っていたことと逆の内容を話していることもあって到底納得できるものではありませんでした。
ちなみに、高圧的な言動は僕が入社する前から日常的におこなわれていたようです。
僕が入社したばかりの頃は、たまたまメンバーに詰めている様子を目にする機会がなかっただけです。
そのうち、僕自身にも高圧的な言動を投げかけられるようになります。
後々に営業部の先輩に聞いたところ、この1年で8名もの人が営業部から退職しているとのことでした。
高圧的な言動を受けていた僕は驚くこともなく、当然の結果だなと思いました。
そして、高圧的な言動を受け続ける中で、僕は自分の思考力が落ちていることを感じます。
「あれ、自分ってこんなに仕事てきなかったっけ……?」と思うくらい思考が回りません。
思考力が落ちていることを感じたとき、「この会社にいてはいけない」と危機感を抱いて再び転職を決意します。
1ヶ月半経った頃には二度目の転職活動を開始
二度目の転職活動を始めたのは、入社から約1ヶ月半後のことです。
その日は、入社してから一番強烈な叱責を受けた日でした。
「あ、この上司のもとで働いても時間の無駄だわ」と思いました。
業務を終えて帰っている途中、電車を待っている間に転職エージェントに登録します。
その後、エージェントさんと話しながら、転職活動を進めていきます。
僕にとって最初の転職は失敗だったと思っているのですが、その原因は焦りによるリサーチ不足です。
転職先が決まる前に退職を伝えてしまった結果、内定をもらえたところに飛びついてしまいました。
本来であれば、もっと会社の評判や疑問などを精査して解消するべきでした。
しかし、転職先が決まらない焦りと転職活動への疲労から、都合良く解釈して内定を受けてしまったわけです。
だからこそ、二度目の転職活動では「転職先が決まってから辞める!」と固く誓いました。
焦らずに二度目の転職活動を進める
「転職先が決まったら辞めればいいや」と考えて、マイペースで転職活動を始めます。
もちろん高圧的な上司がいる環境で働くことは嫌ですが、焦りは禁物であると実体験から知っています。
また、転職先の会社もじっくり調べるようにし、応募すらも慎重におこなうようになりました。
「とりあえず大量に応募しましょう」と言ってくるエージェントさんもいましたが、自分の方向性と合わないので利用しなくなりました。
別の転職エージェントのアプリで求人を確認していたところ、一通のスカウトメールが届きます。
スカウトメールとは、企業や企業側のエージェントから届く求人への応募を誘うメールです。
スカウトメールを送ってくれたのは、僕がこれから働くことになる企業です。
当然、このときは転職先のいち候補でしかないわけですが、企業情報を見た僕はフレックスや在宅勤務OKなどの働き方に惹かれます。
ただ、上司との関係性から転職することになった僕は、二度目の転職では「人間関係」を最重要基準にしていました。
何か社内の人間関係や価値観が分かるような情報はないかと、さらにリサーチを進めて会社のHPやブログ、転職サイトの評判を確認していきます。
リサーチと並行して、書類選考が通過し一次面接を迎えます。
無事に内定をもらえて転職活動は約1ヶ月終了
一次面接では、僕が入社した場合に所属するチームのリーダーとメンバーが面接官を担当してくれました。
一緒に働く人とお話できたことが非常に大きく、一次面接を終えて僕は「この会社で働きたい!」との気持ちが強くなっていました。
その後に二次面接兼最終面接もおこない、最終面接を終えたその日の夕方にはエージェントさん経由で内定の連絡がありました。
内定をいただけたときは入社から2ヶ月半が経過した頃でしたので、転職活動の期間は1ヶ月ほどです。
嬉しさのあまり、社内にいるにもかかわらず思わずガッツポーズしてしまいましたね。
「あなたの元では働けません」と言って2社目にピリオドを打つ
内定をいただいた僕は、翌週の月曜に上司に退職を申し伝えます。
いつもの朝会が終わった後、上司に「お話があるのでよろしいでしょうか」と声をかけます。
事前に用意していた退職届を出しながら、「次の転職先が決まったこと、◯◯さんの元ではこれ以上働けないので来月末で退職いたします」ときっぱり伝えました。
そこからは上司や社長の引き留めがありましたが、すべて毅然とした態度で断って無事に退職します。
入社数ヶ月で引き継ぐこともなく、最後の1ヶ月は本当にやることがなくて、ずっと「イータイピング」でタイピング練習をしていました。
(最初はBランクだったのが最後はNinjaまでいきました)
一切の心残りなく退職して、現在も勤めているインターネットセキュリティの会社で働き始めます。
現在はホワイト企業で楽しく平和に勤めている
現在の会社に転職して早数年。
今も人間関係は良好で、楽しく働けています。
コロナ禍の影響もあってほぼ全社員が在宅勤務となったため、働きやすさもさらに向上しています。
控え目に言っても、ホワイト企業で働けているでしょう。
2社目をたった数ヶ月で転職することに迷いはありましたが、行動して正解だったと思います。
たまたま運が良かったと思う人もいるかもしれません。
運が良かったことは間違い無いですが、自分が行動しなければ運も掴めなかったので、やはり行動がチャンスを呼び寄せたのだと胸を張って言えます。
1ヶ月で転職活動を終えられたことも、たまたまそのタイミングで良いご縁に出会えただけです。
良いご縁がなければ出会うまで転職活動を続けていましたので、早いうちに転職活動を始める大切を実感しています。
以上が僕の転職活動の経験談でした。
次では、転職経験を経て僕が学んだ成功のポイントを解説していきます。
入社数ヶ月でも転職は成功できる|3つのポイントを紹介
当時の僕と同じように、入社数ヶ月で転職を悩んでいる人はいるでしょう。
そんな人に向けて、ここでは入社数ヶ月でも転職を成功するためのポイントを3つ紹介します。
- 絶対に次の会社が決まってから辞める
- 転職候補の会社を徹底的に調べる
- 自分が所属するチームの人と必ず話す
1つずつ詳しく見ていきましょう。
絶対に次の会社が決まってから辞める
1つ目のポイントは「絶対に次の会社が決まってから辞める」ことです。
次の会社が決まっていない状況で退職してしまうと、焦りから十分なリサーチができません。
その結果、僕のように合わない会社に転職してしまう可能性が高くなります。
転職活動は早く始めるべきですが、始めたからといってすぐに内定をもらわなければいけないわけではありません。
「内定が決まったら辞めよう」くらいの軽い気持ちで、ゆるく転職活動を続けることがおすすめです。
焦らずに自分のペースで進めましょう。
ただし、今の会社で働くことが明らかに心や体に影響を及ぼしているのであれば、すぐにでも辞めるべきです。
無理に居続けることで、心身を壊してしまっては元も子もありません。
転職候補の会社を徹底的に調べる
2つ目のポイントは「転職候補の会社を徹底的に調べる」ことです。
気になる会社が見つかったら、徹底的にリサーチしましょう。
よく「会社の雰囲気は入ってみないと分からない」と言いますが、そんなことはありません。
会社のHPやブログ、転職サイトの評判など、さまざまな情報からその会社の価値観は見えてきます。
事実、僕は自分がリサーチした情報から想像した雰囲気と入社後の実際に感じた雰囲気とで、それほどギャップは感じませんでした。
もちろん事前に会社の全容が分かることはないですが、それでも徹底的に調べる中で知り得る情報たくさんあります。
ですので、今よりも良い会社に転職したいと思うなら、調べても無駄と思わずに妥協することなくリサーチしましょう。
なお、1社あたりにかける調査の時間や工数が多くなるため、応募数も非常に少なくなります。
僕が二度目の転職活動で応募した企業は4社で、応募まで進んだ企業は2社だけでした。
人のタイプにもよりますが、僕は数を撃つよりも自分のペースで慎重に応募していきました。
自分が所属するチームの人と必ず話す
3つ目のポイントは「自分が所属するチームの人と必ず話す」ことです。
いくら会社の代表や人事担当者が良い人でも、仕事で一番接することになるのは同じチームの人です。
仕事内容や給料が良くても、同じチームの人との相性が悪ければ働き続けることは早晩苦しくなるでしょう。
ですので、入社前に必ず同じチームの人と話してみてください。
僕の場合は一次面接が所属するチームのリーダーとメンバーでしたので、相性や雰囲気を確認できました。
もし面接を通して所属チームの人と話せない場合は、エージェント経由の相談など事前にチームの人と話したい旨を申し出ましょう。
仮に申し出を断ってくる企業であれば、無理に入社することはおすすめしません。
入ってからの後悔は、経歴的にも時間的にもマイナスが大きいです。
入社前にできる限りのことは、すべておこなっておきましょう。
たった数ヶ月で転職することへの不安|解消方法を回答します
たった数ヶ月で転職することは、人によってさまざまな不安があります。
最後に、主な不安について解消方法をお話します。
- 転職面接で「たった数ヶ月での転職理由」を上手く答えられる自信がない
- 新卒が数ヶ月で退職したらそれこそ転職は上手くいかないのでは
- 入社数ヶ月で転職して「今よりさらに悪い環境になる」ことが不安
順番に説明します。
転職面接で「たった数ヶ月での転職理由」を上手く答えられる自信がない
上手く答える必要はありません。
正直な転職理由を答えましょう。
たった数ヶ月で転職するのであれば、ごまかしても仕方がありません。
むしろ、上手く答えようとすると取り繕った回答になってしまい、かえって納得感が低くなるでしょう。
数ヶ月転職を考える人は、それなりの理由があるはずです。
転職理由をごまかして伝えて転職できても、また同じ問題で悩むかもしれません。
僕は実際、言い方は工夫したものの「転職理由は上司との人間関係です」とはっきり伝えました。
伝えた結果、ネガティブな反応を示されたら「自分とは合わない会社だったんだな」と思うようにしていました。
ですので、上手く答えようとせずに正直に転職理由を伝えて、これからどうしていきたいかを前向きに伝えましょう。
転職理由の伝え方は以下の記事でも解説!
新卒が数ヶ月で退職したらそれこそ転職は上手くいかないのでは
新卒が数ヶ月で退職した場合は、第二新卒の扱いになるのでチャンスは多いです。
学校を卒業して大体3年以内は第二新卒と呼ばれ、ビジネスマナーの基礎が身に付いていることや若さゆえに転職市場価値は高い傾向があります。
年齢を重ねるほどに転職市場では、過去の経験や実績を重視されます。
仮に30代からまったく未経験の業界や業種に転職しようと思っても、ハードルは非常に高くなるでしょう。
その点、第二新卒はまだ特定の職種や業界にスキルが偏っていないので、30代や40代に比べて転職先の選択肢は広くなります。
最終的には、その人自身の人柄やスキルによって転職できるかは左右されます。
とはいえ、新卒だからといって数ヶ月で退職しても転職できないことはありません。
入社数ヶ月で転職して「今よりさらに悪い環境になる」ことが不安
新しい環境への不安はよく分かります。
しかし、行動しなければ現状は変わりません。
僕も最初の転職は失敗し、1社目よりも給料も環境も悪くなりました。
それでも、再び転職活動したことで過去一番良い会社で働けています。
新しい環境への不安を解消することはできません。
大切なのは行動を止めないことです。
もし転職した結果、僕と同じように失敗だったと感じるかもしれません。
それであれは、また転職活動を始めれば良いだけです。
時間は有限で、行動しなかった時間は戻ってきません。
良い会社とのご縁を逃さないよう、不安だとしても転職活動には取り組むべきです。
転職をずっと悩む人に向けては以下の記事でも解消方法を紹介!
まとめ|入社4ヶ月でも転職すべきと思ったら行動しよう
ここまで、僕の転職経験談を踏まえて転職に成功するためのポイントをお話してきました。
入社からたった数ヶ月での転職は、大変勇気がいります。
経歴や周囲の目が気になりますし、数ヶ月で辞める人間が内定をもらえるのかと不安にもなるでしょう。
ですが、僕はたった4ヶ月で辞めても無事に次の会社が見つかりました。
転職活動を始めたタイミングで言えば、入社からわずか1ヶ月半です。
ですので、もし自分が今の会社では働けない、時間を無駄にするだけだと感じているなら行動しましょう。
転職活動を始めるからといって気負いすぎず、「内定をもらったら辞めよう」くらいの気楽な気持ちで取り組んでみてください。
僕が2回目の転職で利用したサービスは以下で紹介!